7月5日(土)午前4時にスタートした第4回美ヶ原トレイルラン&ウォーク 80kmの部。

スタートまでの前日編はこちら

このレースの目標は、11時間での完走。

夜明け前の真っ暗かつ大雨の中、80kmの長いレースがスタートした。

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走りだすとすぐにシューズはびちゃびちゃ。後のドロドロ地獄を考えると全然マシ。(笑)
スタートからゲレンデを上る。標高差400m、距離3.5km。

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振り返ってみた。徐々に夜が白み出した。
走りだしてみると身体の調子が良いようで上々の滑り出し。
無理なくマイペースで走っているが、前のランナーを抜いていける。

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ゲレンデを上りきるとシングルトラックのトレイルに。やっとトレイルランぽくなった。

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第1エイドの和田峠に至る上り。すっかり夜が明けた。

スタートから大きな上りを3つ越えA1和田峠に到着。雨は弱くなっているがレインウェアを脱ぐほどではない。このエイドでは、バナナ2切れとコーラと冷やしみそ汁いただく。スポーツドリンクをソフトフラスクに補給。今日のような気温が低く雨のコンディションでは、温かいみそ汁が飲みたかったな。
向かいの「農の駅」でトイレをお借りした。少しの休憩で身体が冷えた。
さぁ、次へ!

スタート〜A1和田峠(スタートより14km地点)
到着予定/6:00(2:00)、通過時間/6:02(2:02)

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やっと展望が開けてきたが、ずっとガスっている。本日は仕方ない。

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晴れなら素晴らしい稜線のトレイル。今日は足下がドロドロ、ツルツルで踏ん張りが効かない。
後の後半になって分かってきたが、ドロドロの下りでは滑りを計算して滑ってしまうと上手く下れる。

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第2エイドまでの最大の上りを攻略し三峰山(1887m)に到着。ここを下れば次のエイドだ。

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下りでは何度もスリップ、その度に尻餅を着きそうになるが手をついてセ〜〜フ。(笑)
でも、手のひらはドロドロ。水たまりや沢を見つけると、そこで手を洗う。

どーんと下りきると舗装路に出た。舗装路を少し走り第2エイドの扇峠に到着。
エイドの手前に大きな鹿の骨が道路上に。遠目から「枝?、骨?」と考えながら近づく、怖いものはやっぱり見てしまう。(笑)実際に見ると「うわわぁ〜!」怖い…。(笑)

このエイドはウォーターステーションのみ。500mlのペットボトルの水をいただく。
さぁ、次は最大標高の茶臼山へ。行くぞ!

A1和田峠〜A2扇峠(スタートより21km地点)
到着予定/7:00(1:00)、通過時間/7:19(1:17)

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エイドを出ると急峻な上りが続く。ここに至るまで徐々に上りのペースが遅くなっていた。思うように上れなく身体も重い、息も切れ切れ。序盤の調子よく感じたのは何だったのか?
しかし、まだまだ序盤、耐えて調子が上がってくるのを待つしかない。

ここで嬉しい再会があった。前日やスタート前に会うことが出来なかった友人と再会。ここでお会いするとは! ここまで順調に来られているよう。先行してもらうがすぐに見えなくなってしまった。上の写真はその友人を後方から撮影させてもらいました。

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足下がドロドロの状態では、踏み込むとズルッと滑りいつも以上に脚に負担がかかる。

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茶臼山(2,006m)に到着。山頂で誘導されていたお姉さんに元気をいただく。
写真も撮っていただいた。ありがとうございました!
改めて見ると、身体は上から下までびしょ濡れ。(笑)

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ここも晴れていれば気持ち良く走れるところ。

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ここは牧場内のラン禁止区間、歩行区間。早歩きで通過。所々に大きな牛の糞が現れる!
しかし、ドロドロのシューズにはあまり大差ないが、踏まないようにいく。

ここで後続のランナーの方とおしゃべりしながら歩く。出身地やこのレースを選んだ理由など会話が弾む。約1kmの歩行区間はいい出会いの時間となった。50番さん、ありがとうございました!

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靄の奥にかすかに見える歩行解除を案内するスタッフの方。

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牧場内のトイレをお借りした。看板がかわいい。
この辺りで「美しの塔」という美ヶ原高原のシンボルをそのまま通過。

こちらが晴れている時の美ヶ原高原
(美ヶ原観光連盟ホームページより)
悪天候が憎らしくなってしまうほどの絶景。

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ポニーの横を通過すると待望の第3エイド山本小屋に到着。
ここでは、バナナ2切れ、おやき2切れ、コーラをいただき、ソフトフラスクにスポーツドリンクを補給。宿で同室だった方と嬉しい再会。お互いに頑張りましょう!
雨が強くなっているため長居はできない。すぐに出発。さぁ、行くぞ!

A2扇峠〜A3山本小屋(スタートより26km地点)
到着予定/8:00(1:00)、通過時間/8:26(1:07)

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エイドを出発し、しばらくはロードを行く。物見石山への少しの上りからトレイルに戻る。
上の写真は物見石山からのガレ場の下り。ここから激下りが始まる。ここは慎重に下る。
岩は雨で滑る。

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まだまだ下る。珍しい蓮のトレイル。気持ちいい!

どーんと下りに下る。トレイルから林道に変わり、スピードをどんどん上げていく。
上りでは調子が悪く、たくさんのランナーに抜かれたが、この林道の下りで10人以上を抜いた。
この下りに入る前に誘導のおばちゃんから「はい、68番!」と教えてもらった。
「くそ〜68番か。」順位を数えながら抜いていった。
下りではイケルイケル!

ドロドロの作業道やジャブジャブとドロ水に浸かってしまう沼など、今まで経験がないほどの悪条件。
汚れようが浸かってしまおうが、ここまでくるともう気にしてられない。(笑)
汚れたら沢で洗えばいいんだ!(笑)

標高差1100mを下りきり、第4エイドの和田宿に到着。
ここは中山道の昔の佇まいが残った雰囲気の良い町並み。
写真を撮らなかったのが悔やまれる。

このレースで一番規模が大きいエイド。元気なおばちゃん達に力をいただいた。
そうめん2杯、梅干し2個、バナナをいただいた。疲れた身体にそうめんが旨い。つゆが効く〜!

ここで先行されていた友人に追いついた。股関節に違和感が出てきたそう。
友人にワセリンをお借りした。ありがとうございました! 頑張ろう!

朝からのずぶ濡れのショーツが影響して股擦れを起こし始めていた。
スタート前に急いでいて、ワセリンを持つのを忘れてしまった。後にこれがトラブルの元になった。

出発前にトイレを済まして、さぁ、出発!
ちょうど中間。結構、疲れが溜まっているがここまできたらあと半分。頑張れ、自分!(笑)

A3山本小屋〜A4和田宿(スタートより39km地点)
到着予定/9:10(1:10)、通過時間/9:57(1:31)

エイドを出るとしばらくロードを走る。和田宿温泉の裏でおじさんに「はい、60番!」と教えていただいた。まだまだ60番。前のランナーも見えている。じっくり諦めずに行こう。

登山口に入ると少しずつ斜度が上がっていく。ここは標高200mを上げて水沢峠にでる。そして、すぐに駆け下りる区間。

上りの始めで2013年のUTMFのTシャツを着たランナーと出会った。
「UTMFのシャツですね! 僕も走りましたよ!」とUTMFのお話をした。
これもまた良い出会い。「幸運を」と別れた。

水沢峠のピークに到着する頃に友人と宿が同室だった方に追いついた。
もう息は切れ切れ。「やっと追いついた〜」と手をふり声をかけた。
ここから下りの始まり、3人で駆け下りていく。この後、前を譲っていただき、スピードを上げていく。
すると、直後につまずいたせいで着地に失敗し脚を攣った。(笑)脚を伸ばし回復。すぐに走り出す。
ここも順調に下り、集落に出た。さぁ、ここからが中盤の山場、長門牧場へ続く10kmの林道の始まり。

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ロードからダートに変わる。ここはまだまだ序盤。この後、徐々に勾配がキツくなっていく。
前日のコース説明では、「この区間はゆっくりでもいいから走り続けたほうがよい」とのお話。
走り続けていると1人、また1人と先行するランナーに追いつき抜いていける。
単調な上りに精神力が試されているよう。だが、残り3kmほどで大幅に走るペースを落としてしまった。
走りたいけど、走れない。もう脚が身体が重い。
一度は抜いたランナーに抜かれた。「くそ、走れ!」
走りだすと別のランナーが落ちてくるが、さっきのランナーには追いつかない。皆、心が強い。
林道の終盤に追いついた2組のランナーと少し会話をし、一緒に走りだす。一緒に走ると歩きたくても走り続ける。ようやく長かった林道が終わり、第5エイドの長門牧場に到着。

このエイドの目玉は、牛乳とドリンクヨーグルト。牛乳好きな僕にはたまらないが、本日はパスさせていただく。ここは標高1,470m、気温の低さと霧雨で肌寒い。多分、いただくとお腹が緩くなってしまいそう。残念だけど、バナナとコーラだけをいただいた。さぁ、あと30kmを切ったぞ、行こう!

A4和田宿〜A5長門牧場(スタートより53km地点)
到着予定/10:50(1:40)、通過時間/12:13(2:16)

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細かいアップダウンを繰り返し、黙々と静かな草原を走り続ける。周りはガスって何も見えない。
もう上りのペースが上がらない。身体が相当に疲れてきている。

この牧場、本当に敷地が広大。行けども行けども、草原ばかり。
そして、立派なレストハウスがある牧場の中心に到着。この生憎の天候でも駐車場にはたくさんの車が停めてあった。天候がいい日に来てみたい。

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牧場のアイドル、アルパカと記念撮影。近づくと離れてしまった。
アルパカに会えたことだし、さぁ、行こう! 

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牧場から下りきると、この区間の難所が待ち受ける。予想どおりの壁のような斜面。
これまでの雨でドロドロ。そのため、急遽、ロープが張られた。もし、ロープが無ければ…必死に上る、ドロドロで足下が滑る滑る、滑り落ちてふりだしに戻る…となったかも。(笑)
ロープのお陰で上りきれた!

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上りきり振り返る。

そして、第6エイドの大門峠に到着。
ここでは、バナナとおやきとコーラをいただく。ハイドレの水が少なくなっていたが、3km先の関門で水をいただけるそうで、ここでは補給せずに出発した。あと、11km、行こう!

A5長門牧場〜A6大門峠(スタートより69km地点)
到着予定/13:30(2:40)、通過時間/14:22(2:09)

エイドを出発して関門までは走りやすいトレイル。
かなりの脚の疲労と全身に疲労が溜まっているが、ゴールが近いことをエネルギーに走り続ける。

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関門の殿城登山口から始まる上り。標高差約400m、この最後の上りがキツい。しつこい上りが続き、全身が悲鳴を上げる。この上りで、後ろにつけておられたランナーと静かなバトルを続ける。
最後の力を振り絞り、全力で上るがいっこうに離れない。息はハーハー、呼吸は上がりっぱなし、お互いに無言で意地の張り合いが続く。2人の男のバトルに40kmのランナーは前をあけてくださった。
「ありがとうございます」とお礼を言うが声が出ない。
しかし、上りの終盤でたまらず先を譲った。悔しいけど、これが精一杯。

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上りきると視界が開けた。ようやくガスが晴れた。
ボヤッとした写真になってしまった。すみません。
後に気付いたが、途中で感度を変えてしまったよう。

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上りきってからも、3つほどの上り返しがある。あぁ、キツい…。
上りきると素晴らしい草原が広がる。
写真で分かりにくいが、前方の女性ランナーは40kmの選手。
「わ〜い🎵」と両手を広げて気持ちよさそう。
でも、おっさんは、必死の形相でハーハー言いながら無心で走る。苦しい。ただ、それだけ…。(笑)
出来る事なら、両手を広げて「ヒャッホ〜🎵」と走りたい…。(笑)

死に物狂いで走り続けると、先ほど先行されたランナーに追いついた。とても苦しそうにされている。
そのまま追い抜く。俺、頑張れ! 

そして、標高1,838mの「南の耳」に到着。立ち止まり景観を楽しむランナー、記念撮影をするランナーの皆さん。そのまま駆け下りる。ここからは、朝上ってきたゲレンデをひたすら下るのみ!

ゴールまで3.5kmのゲレンデの直滑降。八ヶ岳でも感じた、僕の得意な下り。不思議と力が沸いてくる。
両腕でバランスを取りながら一気に駆け下りる。先行するランナーを抜いて抜いて抜きまくる。
重力に任せてどんどんスピードを上げていく。スピードを緩めるな、限界を越えろ、悔いを残すな!
自分に言い聞かせ走り続ける。負けるな、負けるな!
そして、迎えたゴ〜〜〜ル!!! フィニッシュゲート手前で観客の方とハイタッチ。「ありがとう!」

やっと、辿り着いたゴール。本当にキツく長いレースだった。
序盤の上りでペースが上がらなくどうなるかと思ったが、終盤は粘ったお陰で盛り返すことが出来た。
トレイルランは、苦しくても我慢して歩み続ければ、いつか報われる時がくる。まさにその通りだった。

ゴール後は、もうフラフラで力が入らない。完走のうどんをいただき、たまらず座りこむ。
その後、先にゴールされていた同宿の方と再会し、レースを振り返り会話を楽しんだ。
そして、友人と同室だった方とも再会できレースを労う。
おめでとうございます! お疲れさまでした!

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A6大門峠〜ゴール(スタートより80km地点)
到着予定/15:00(1:30)、通過時間/16:10(1:48)

記録/12時間10分、総合43位

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最後にあの悪天候の中で大会に関わられた方々にお礼を言いたい。
本部の方々は難しい判断だったと思う。ランナーはそれぞれの力量を問われているようだった。
自立したトレイルランナーとなれるのか。

エイドの方々、コース上で誘導いただいた方々、沿道で応援いただいた方々、ありがとうございました。
走り続ける力をいただけました。そして、存分に楽しませていただきました。
来年は分からないけど、またいつか来てみたい。

以下はコースディレクターのゆうじんさんのコメント。
大会ホームページより
http://www.utsukushigahara-trail.jp/2014/2014/07/07/course-director4th/

いろいろ考えさせらる。


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Trail Mix Running は滋賀県から発信する、関西のフィールドを楽しむトレイルランニングツアー。
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http://www.trailmixrunningtour.com/
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