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ついに本番の朝を迎えた。起床は午前5時前。昨晩は午後11時前に床についたが全く寝付けずに寝不足だが頭はスッキリとしている。ストレッチポールでマッサージを入念に行った。果たしてどうだろうか。あとは力一杯に走るのみ。さぁ、びわ湖バレーへ行こう。
勝負!

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スカイレースのコースは、標高1108mの打見山をスタート&ゴールとする。距離20km、累積標高差2000mの急下りと急上りで岩がゴロゴロとしたガレ場の連続。コースプロデューサーの松本大選手がスカイレースの本場ヨーロッパで経験した本物のスカイランニングのエッセンスを盛り込んだコース。これがスカイランニングだ!走れるもんなら走ってみろ!がテーマ。大さんからの挑戦状だ!

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山頂へ向かうロープウェーに乗り込む。早朝だけあって道路は空いていて予定より早く到着した。スカイチームの仲間とも合流。昨日より参加する仲間が増えて気分が上がってきた。やっぱりみんなとレースを走れるのは楽しい。再会できることが嬉しい。はるばる関西までやってきてくれた仲間とも再会できた。
山頂駅から右手へ下りて宿泊棟のある施設へ。ここが受付と荷物預けとなっている。受付は昨日に済ませているので、早速レースの準備に取りかかる。

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Photo by Yuki Nagano

山麓駅で仲間の到着を待つの図。写真はゆきねえからの盗撮(笑)
今レースは素晴らしい写真をたくさん撮っていただいた。感謝。

スカイレースはスプリントレース。必携品以外は持ちたくない。自分に何が必要か、判断する力を身に付けるのもスカイランニング。「Fast & Light」がより一層レースをシビアにするんだと思う。
今回は友人からサポートを受けることができ、第1エイドでボトルを渡してもらうことをお願いした。スタート時は250mlのソフトフラスクだけを持ち、エイドでボトルごと補充する作戦。少しでも軽量でスタートできることと応援をもらえることに感謝。苦しい時の応援ほど力をもらえるものはない。

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Photo by Yuki Nagano

仲間とアップを始める。何を見てる??
みんなは蓬莱山の山頂まで行ってしまったが、僕は昨日のバーティカルの疲れがあるから負荷を少なめに付近をジョグする。山頂は平坦路がない。どこへ行っても坂ばっかり。当たり前か。

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Photo by Yuki Nagano

今日はいつもと違いショートダッシュをやることなく、ゆっくりと長くジョグを行いじわっと身体を温めていく。前からゆきねえのカメラに気付いた。どんな面白い顔をしようか考えながら走るの図。(笑)

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Photo by Yuki Nagano

はやちゃんと安田記念レースの記念撮影。はやちゃん、絞れているじゃね〜か!おれも負けないぞ!

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Photo by Yuki Nagano

おら!勝負だ!コノヤロー!(笑)ヘイ、ブラザー!

開会式が始まった。でも、身体を冷やさないようにアップを続けた。「絶対にポイントを取るぞ!」「何があっても30位以内でゴールしてやる!」自分にそう思い込ませるように何度も何度も心の中でつぶやいた。「できる、できるぞ、やろう!」


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Photo by Yuki Nagano

スタート時間が近づき前方に並んだ。前から3列目ぐらい。かつて無いほど緊張する。「ポイントを取るならこのレースしかない。」「ここで取れなかったら何処で取るんだ?」そう思えば思おうほど緊張感が高まる。号砲はもう間近。カウントダウンが始まる。瞼を閉じ、大きく息を吸い、フッと息を吐く。行こう! さぁ、スタート!!

一斉にスタートゲートを飛び出していく。いきなり下りの舗装路。道幅以上のランナーが一気にかけ下っていく。固い舗装路をいくか、ダートを近道していくか。スタートのエネルギーはスゴい。おりゃ〜とぶっ飛ばして走る。右に折れまだまだ舗装路をぶっ飛ばしていく。舗装路を外れダートをまっすぐに走ってみる。石がゴロゴロで捻挫に注意だ。そこら中にランナーが広がって走っていく。激下りが終わるとゲレンデの激上りが始まる。最初は走るが、「まだまだスタート直後だ。無理せずにハイクを交えていこう。」とハイク&ランを交互に繰り返して上っていく。書くのは簡単だが、もう心肺は上がりっ放し「ハァハァハァ…」シンドイ。でも、みんな苦しいんだ。頑張れ!と自分に言い聞かせていくしかない。

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Photo by Yuki Nagano

上りきるとスタートゲートに戻ってきた。ここは全力のラン。ゲートを潜ると山頂駅の直下からシングルトラックのトレイルからダウンヒルがスタート。押せ!押せ!前者に離されずに付いていけ!

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Photo by Yuki Nagano

緩いアップダウンのシングルトラックからダブルトラックのトレイルに変わり、すぐに石がゴロゴロのハイスピードダウンヒルが始まった。もう、もうぶっ飛ばしていく。スカイレースはスプリントであり格闘技だ。岩をよけ、ジャンプして、1番速いと思うラインを取りコーナーをクリアしていく。感覚でいうと8割から9割の力で。下りだけど心肺は高い。このスリリングなダウンヒルがスカイの面白さ。この下りで5人ほどを抜いた。スカイチームの仲間にもパスさせてもらう。前方にトップ10に入る力を持ったGuillちゃんが見えてきた。「あれ?もっと前のはずじゃ…。」徐々に間隔が詰まり背後に近づけるかと思ったが、途中からスピードアップしたようで徐々に視界から離れていった。やっぱ速えな。

ダウンヒルの終盤、林道に変わった。また石がゴロゴロ。ちょっと脚が疲れてきたかなと感じ始めた頃に「あっ!痛っ!」軽く右足首を捻った。しまった。油断したと思ったその直後、もう一度「あっ!痛てえ〜!」さっきより痛みが大きく捻った。やばい。スピードを落とそう。スピードを落としたところで背後のランナーに勢いよく抜かれてしまった。

下りきるとロードに出た。そこから2度ぐらい階段を上ると第1エイドに到着。エイドの手前で友人が待ってくれていた。自分のボトルを受け取り、エイドでバナナ2切れを口に入れ、水を飲んでスタートをきる。エイドでボラをしてくれていた友人に応援をもらうが、補給に一生懸命できちんとお礼を言えなかったと思う。でも、すごい力をもらえました。ありがとう!

エイドを出るとロードの上りが続く。けっこう脚が疲れている。少し歩きを入れたところで、先ほどのGuillちゃんと再遭遇。なんだかいつもと様子が違う。「何かあった?」「モチベーションが上がらない」「何で?」「体重が重くて調子が上がらない」「オレについてこい!」とペースが落ちてきた僕を引っ張るように先導してくれた。ロードの左端を指差しながら「ここを走れ」何度も振り返り僕のペースを見ながら引っ張ってくれた。彼はホント良いヤツ。フランス人なのに日本人のような気配りをしてくれる。
ロードからトレイルに変わり、傾斜がキツくなってきた。ハイクでハァハァと呼吸をする僕に「もっと大きく息を吸え」とアドバイスしてくれた。やってみるとこのほうが楽だ。置いていかれないように必死に彼を追いかける。

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Photo by Michiko Tajiri

つづら折りの上りに差し掛かると、少し上にいつも力強い走りの師匠の吉田さんの姿が見えてきた。嬉しくもあるがどうしたんだろうかと心配にもなる。しばらくすると背後に追いつきパスさせてもらった。「ガンバ!」と声をかけると「今日はいけるぞ」というような声をかけてもらった。頑張っていきます!

僕の前にはGuillちゃん、その前に2人のランナーが見えてきた。4人の集団でこの上りの核心部の金ピラ峠にかかる激上りを上っていく。相変わらずGuillちゃんは力強いし呼吸が乱れていない。反対に僕はずっと心肺が高い状態が続く。Guillちゃんが先頭に出た。するとスイッチが入ったようにスピードアップして上り出した。何て速さ。一気に視界から消えていった。後に彼の投稿を読むと自分をテストしてペースを上げ、友達を置いていったと書いていた。おれやん(笑)それほど、彼の速さをスゴかった。あんな走りができるようにならないといけないな。

金ピラ峠はまだ?あの上は…。と何度も期待を裏切るいつまでも続く上り。もう苦しい。でも、負けるな。ポイントを目指して全力で上り続けるしかない。

ようやく峠の直下に辿り着いた。スカイチームの仲間がトップチームのサポートをするためにこんなところに居てくれていた。応援をいただき、何か叫んだ。力が蘇ったように思えた。さぁ、今度は一気に下るぞ。2度目のハイスピードダウンヒルが始まる。最初よりもさらにガレたテクニカルな路面。最初のように軽快にかけ下りたいが、疲労から思うようにスピードが上がらない。コーナーも上手く曲がれない。でも、気持ちを切らさないように。少しでも前を走るランナーに追いつくぞ!

超テクニカルトレイルから滑り易いロードに変わった。所々に苔が生えた滑り易い路面。脚の負担は無視してガンガン走る。ここでようやく前者に追いつきパスした。よっしゃ!行くぞ!

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Photo by Keiko Koide

まもなく第2エイドに到着。昨日からボラで頑張ってもらっていた小出さんにここで会えた。「やっさ〜ん!」「30番後半」と順位も教えてもらった。ありがとう!頑張るで!
空になっていたボトルに水とスポーツドリンクを半々にいれてもらう。バナナを急いで口に入れすぐに出発。よっしゃ!行ってきます!

ここからは細いシングルトラックのトラバース道。谷側が傾斜がついていて走りにくい。ここで久しぶりにレース前に再会した東くんが追いついてきた。「先に行く?」と声をかけ抜いてもらった。僕より先に行っていると思っていたんで少しびっくりした。「すぐ追いつくで!」と自分にハッパをかけるように東くんに叫んだ。

細かいアップダウンを繰り返してトラバース道を進んでいくと「えっ? これコース?」というような直登が現れた。壁と言ったほうが合うと思う。登山道ではなくマーキングのピンクテープだけが道標。テープだけをたよりに真っすぐに上っていく。もうこんな傾斜は走れない。ハイクで力一杯に脚を前へ出す。「なんだよ!このコースは!」この直登では前方に数名のランナーの姿が見えていた。前との差は小さいぞ。力を振り絞って上れ!

必死のハイクで攻略すると小女郎峠へと続く登山道に出た。ここから3本ほどの沢を渡る。沢なんか面倒だから避けたりしない。そのままジャバジャバと渡る。濡れたって関係ない!(笑)大さんが沢に入って山と一体になるって言ってたのを思い出した。
最初は走りやすい傾斜から徐々にキツくなっていく。もう、ほんとに必死にただ脚を前に出すだけ。両脚の内転筋が攣った。力を入れるとピクピクして力が入らない。拳でガツンと刺激を入れてみるが変化はない。もう満身創痍だ。でも、行くしかない。すると徐々に前のランナーが落ちてくる。ここで2人をパスさせてもらったかな。レースがスタートしてからずっと心肺が高いまま。もう何を考えていたか覚えていない。苦しすぎて忘れてしまったんだと思う。

苦しかった上りが終わりに近づいているのが分かった。ふと空の色が樹々の間から見えてくるようになった。この上りを上がれば…。向こうから応援の声が聞こえてきた。ラストスパートが近い。最後のジェルと口に絞り込み、トップスピードを流し込んでラストスパートに備える。やりきれ。最後の力を振り絞れ。空が開けた!「キリアン!、キリアン!」と叫ぶ声が!「キリア〜ン!」ニックネームがキリアンと言う友達が応援してくれていた。別人のように力が沸いてきた。おりゃ〜!やるぞ!「おれはフランソワだ!おれはフランソワだ!」と叫びながら走り出した自分がいた。(笑)キリアンと会えたことが嬉しくて嬉しくて。本当にありがとう!

峠では、サポートの友人から給水を受ける予定だったけど、手持ちの水が少し残っていたので「先に行きます!」と伝えて先を急いだ。

この先は右手にびわ湖を見下ろしスカイランニングの爽快感を味わえる最高の稜線が続く。しかし、今日はそれを楽しんでいる余裕は全くない。走れるトレイルなのに両脚が痙攣して上手く走れない。変なフォームなのが自分でも分かる。背後からランナーが近づいてきた。あまりのスピードの違いに先へ行ってもらう。抜けれてから何とか追いつけないかと必死に走る。

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Photo by Official  fb   多分、僕だと思う。

そして、本当の最後、これが最後の上りの蓬莱山への急登が見えてきた。ハイク&ランで必死に上る。脚が痛い。脚が動かない。何とか前へ。山頂に辿り着くとスカイチームのナカケンキャプテンから「33位!」と声をかけてもらった。「おっしゃ!33位!絶対にゴールへ!」と叫びながらキャプテンにお礼を伝え、ヒャッホー!とまた叫びながらゲレンデの下りを下りていく。

大好きな下りのはずだが、脚に力が入らず飛ばせない。前のランナーの姿は見えない。背後のランナーの姿も見えない。この順位をキープできる確信が出た。下りきるとあと200m。少しの上りを上がりきればゴール。ゴールゲートが見えてきた。やっと帰ってきた。やった。ポイントを取れる。

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Photo by Yuki Nagano

無我夢中に走る。大さんのMCが聞こえた。「安田邦夫選手です!」
やった〜!やったぞ!!!お〜!!!

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Photo by Yukihiro Ooura

キツかった。ほんとキツかった。日本一キツい20kmのレース。ゴール後はひっくり返った。もう動けない。ゴールでは先にゴールしていた仲間が迎えてくれた。力を出し切れた。やりきった。
今年はスカイシリーズでのポイント獲得を目指してバーティカル練習を繰り返してきた。やっと叶った念願のポイント獲得。でも、ここからがスタート。もっと上を目指して頑張ろう!

タイム:2時間43分55秒、順位33位

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大好きな仲間達!

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スカイ美女達と「安心してください。履いてますよ」の図

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レッドブルガールと加藤さん スタート前に1本、ゴール後に2本を飲んだ。普段はローカフェイン生活をしているからか、カフェイン取りすぎで後にちょっと気持ち悪くなった。(笑)

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最後にたくさんの写真を撮ってくれたゆきねえに感謝。初めて自分の走っている写真が多いブログになりました。元気ももらえてありがとう!

このレースでポイントを取ることが出来たのは仲間からの応援があったから。以前みたいに一人でやっていたらこの結果は無かったと思う。みんながくれたポイント。ありがとう!
スカイランニングは垂直方向への挑戦。重力に逆らって垂直にいかに速く上れるか。
キツイ分だけゴール後の楽しさは半端ない。楽しいね。

次は、富士登山競争5合目コース。投稿した時点では結果は出ているがまた後ほど。



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