ついに待ちに待った開幕戦、OSJ 新城トレイル32K。先日の愛知山岳マラソンがプロ野球でいうオープン戦、新城はペナントレースの開幕戦のようなもの。さぁ、気合いを入れていくぞ!

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僕の住む滋賀県からは車で約2時間30分の予定が渋滞の影響で約3時間で到着。近いようで遠い初めての新城。午後2時前に会場に到着。お昼休憩無しで来たため、まだ牛丼エネチャージが出来ていない。夜に後回し。

到着後は、すぐに受付を済ませて売店を除いてみた。OSJシリーズに協賛されている「さかいやスポーツ」の出店がある。チラ見しただけだったが、後で友達から聞くと掘り出し物セールで超お得だったらしい。しくった!

チラ見だったのには理由があった。この後すぐに、ジャパンスカイランニングチーム(JST)東海の会議に出席させてもらったから。スカイランニング対する熱い思いに感銘を受けた。微力だが僕も協力して盛り上げていきたいと思った。練習でお世話になっている方々や初対面の方々、皆さんありがとうございました。また新たな素晴らしい仲間に出会えて嬉しい。

さて、午後5時からはパーティー&競技説明会が始まった。

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まずは腹ごしらえ、各テーブルに軽食とドリンクが振る舞われている。見ての通り会場は満員。全選手では無いと思うけど、なかなかの混雑振り。友達を探しにウロウロ。

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友達とおしゃべりに夢中になっていると気付けばタッキーさんの競技説明が始まっていた。
エイドでハイドレに水が補給可能なエイドは1ヶ所しかなく、32Kでは21km地点のみ。補給食は無しとのアナウンス。(中盤からチョコとプロテインバーがあるエイドがあったが、確かにほとんど水のみ。)
明日は暑くなりそうなので、水分補給が重要になる…。と理解していたのに…。

たくさんのお友達に再会できて楽しい1日だった。さて、宿に行こう。宿がある新城市内に下りて「すきや」で待望の牛丼エネチャージ、大盛り卵付き。今夜は装備の準備を早く終わらせて寝ないと。

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一夜明けて午前6時前。昨晩はお世話になりました。ゆっくり(ほとんど装備の準備をしていた)できました。リーズナブルな価格で温泉がありお得な宿。でも、部屋にトイレ、バスはありません。会場まで約30分。さぁ、出発!

会場到着は午前6時30分すぎ。ダブル64Kのスタートを応援するためにスタート地点へ。ウォームアップを兼ねてジョグで会場へ移動。

ダブル64Kとは、32Kのコースを2周。累積標高は6,000mを越え、制限時間は11時間という過酷な超人クラス。このクラスにJSTから2名が参加される。参加資格は、シングル32Kを5時間以内に完走の実績が必要。このコースを5時間以内で完走するのは、マラソンでいうサブスリーぐらいの力が必要だと僕は思う。昨年の大会でウルトラディスタンスのレジェンド望月将吾選手がゴールせずに、そのままもう1周走ってしまったのが、ダブルクラスが出来た由来だそう…。

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望月選手を先頭に30名ほどの鉄人達が午前7時にスタート。「行ってらっしゃ〜い、頑張れ〜!」

見送った後は自分のレースの準備だ。車に戻って装備をピックアップしてウォームアップ開始!ジョグと短いダッシュを繰り返す。調子は悪くもないし、良くもない。普通? 3月に入って毎週続いたマラソン、バーチカルレース、イベント、練習会で疲れは抜けきれていないよう(まぁ、自分で組んだスケジュールですけどね…笑)調子がいいと自分に言い聞かせて走るのみ。

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スタート前にばったりと先日の愛知山岳マラソンでバトった友人と再会。記念撮影をお願いした。

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ここでコースを紹介。特徴は何と言っても急登が何度も現れる。急登、急降下の繰り返し。説明するのは簡単だが、走るとなるととっても厄介。これが、日本一厳しい32kmと言われる所以か。尚かつ、足下はハードな岩場の連続。脚へのダメージは半端ではない。噂に違わぬ超ハードなコースだ!

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少し遠慮して前から下がった場所に整列。最前列には昨年の入賞選手が紹介され整列。スタートへ向けて緊張感が高まってくる。今日は、きちんと計測チップは着けている(笑)
トレイルのためのマラソンを参照。

今回の目標は、最低でも5時間を切ること。可能なら4時間45分、もっといけるなら4時間30分切りを狙っていきたい。懸念するのは、このコースが初めてなこととまだ疲労が抜けきれていないこと。このタイムに根拠は全くないが、今シーズンの意気込みとオフにやってきた練習の自信から必ず5時間は切りたい。さぁ、行くぞ!!

スタートの時間が刻一刻と迫る。カウントダウンが始まる。
「10、9、…3、2、1、スタート!」行け〜!

前者に続いて一気に飛び出す。すぐに右に折れ、林道を進む。順調にスピードを上げていく。
最近はケイデンスでスピードを測ることを止めているので分からなかったが、4分5〜10秒/1kmのペースで走っていたと後で友人から聞いた。トップは3分後半で走っていたらしい。速い!

どんどん前のランナーを抜いていくが、徐々に傾斜がついてくるようになり少しペースを落とした。この後、友人にパスされるが、無理に付いていこうとせずこのままキープする。

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だいたい2.5kmぐらい進んだところで林道が終わり、登山道が始まる。これが噂の渋滞箇所か。どうりでみんなが飛ばしていた訳だ。階段のシングルトラックがつづら折りに続いている。抜くことが出来ないので、休憩と考え走りと歩きで進む。

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林道で上がった心肺を元に戻してやるが、前者と間を空け過ぎないように。

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1人、また1人と前者をパスさせてもらい上りは続く。まだまだ上る。

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上りきるとガレたダウンヒルが登場。正直、かなりのガレ具合。普通なら躊躇してペースを落としてしまいそうだが、今日はそんなことは言ってられない。なるべく足場のいい場所を探しながら走る、飛ばす!
ガレ場で一気に前と詰まった。行け〜!

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ガレ場が終わると下り基調の走りやすい林道に出た。なんて走りやすいんだろう。(笑)順調にスピードを保って走る。この写真の後に友人を発見!「あ〜!、ありがとう!」場所がどこだか全く見当がつかないが、こんなところで応援してくれるなんて嬉しい。スゴい元気をもらいターボが効いた!

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林道から再び登山道に入る。ここはトラバースしながら細いシングルトラックを走る。撮影に気を取られすぎてトレイルを外さないないように注意。(笑)うん、なかなか臨場感がある写真が撮れた。たまたま。

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気持ちいいシングルトラックは長くは続かない。新城名物の岩場はまもなく。上りが始まる。ずっと走り続けることは出来ないので、走りと歩きを交互に繰り返す。まだまだ序盤、疲労を貯めないように。

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ついに出た、新城名物の岩場の連続。ほんとにずっと続く岩場。これでもかというぐらいに。足下は昨夜の雨でまだ濡れていて滑り易い。注意しながら足場を選んでいくが…、あっ! ちょっとした判断の間違いから足を置くポイントを間違え、出っ張った岩に膝を強打。うっ…。痛い…。久々にくるこのジーンとした痛み。脚を止めるわけには行かないので、進みながら痛みが引くのを待つ。おっと、出血してるけど行くしか無い。この後は、岩場の下りで滑って脚の右側を大きく擦りむく。痛い…。出血。でも、行け〜、行け〜!(泣)今は笑えるけど。

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急に眺望が開けた! でも、見ている余裕はない。先を急ぐ。

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ようやく第1エイド(13km地点)に1時間36分で到着。トイレだけを借りて、給水は素通りして先を急ぐ。ここに至るどこかで「36番」とスタッフの方に順位を教えてもらった。少しでも順位を上げれるように頑張ろう。

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エイドを出てすぐ、雄大な亀石の滝がある。急げ〜!

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何度も出てくるこの階段、とっても厄介。細く、間が大きく空いている。上りは良いが、下りは踏み外さないように要注意。もし、踏み外すとズリズリに引っ掻き涙が出るぐらい痛いだろう。

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さぁさぁ、ついにきました。新城32Kの核心部。中盤の急登2本立ての1本目が始まる。ほんとシビレる急登だ…。全身を使って上っていく。はぁ…!はぁ…!下半身の筋肉が悲鳴を上げ始めてきた。格闘すること約25分。昨年と今年の自分の大きな違いは、急登で前を走るランナーに離されることが少なくなったこと。オフのトレーニングが効いているんだと思う。

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気持ちよく下れ、つかの間の休息。休息といっても飛ばしてるから心肺は上がっている。

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そして、現れた2本目の急登の宇連山への上り。この迫力。うぉ〜! なんて急なんだ! シビレるぜ! やってやる! 追いついた前のランナーも全身で上っている。負けるな! 呼吸は大きく、背筋と臀部を使ってパワーウォーク。大腿四頭筋の内側の筋肉が攣りそうだ。こんなことは、これまで無かった。それだけハードなコースだという証拠か。

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まだまだ終わらない。まさに山と自分の闘い…。

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聞こえてきた宇連山山頂からスタッフの方の声。「頑張れ〜。山頂で〜す」ついに来た。なんてハードな上りなんだ。もう結構な疲労だが、力を振り絞り走り、歩き、頂きを攻略する。ここでやっと中間地点。

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ここからは気持ちよく下っていく。(実際は気持ちよく無いが…。)下りだすと脚が疲労していることが分かる。あの急登の連続をクリアしてきただけに、最初のように飛ばせない。でも、緩めることなく前者を追う。前者の方とは、縁があるレースだった。上りは彼の方が速く、下りは僕の方が速い。ここで交差したのは今日2回目。追いつく度に少し会話を交わす。

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小さいアップダウンを繰り返し、必死に走りペースを上げていく。心肺も脚もキツイが緩めることなく走る。この後、第2エイド(23.3km地点)に到着。水を一杯いただき、パワーバーのプロテインをお土産にいただいて、早々に出発。水の補給はしなかった。水が少なくなっていたが、後のエイドがあるからと補給をせずに出発してしまった。これが、終盤に大きく響くことになる。

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はぁ、キツイ。なんてキツいんだ。急に眺望が開けた。レースでなくゆっくりとハイクできたら、ほんと気持ちいいコースに違いない。でも、今日は新城を嫌いになっている…。ほど、キツイ…。直前の急登を死に物狂いにパワーウォークで上っていると、道を譲ってくれたハイカーの方から「死にそうな顔をしていたね。(笑)」そうでもしないと攻略できない!それぐらいの気持ちでやってるんですよ!(笑)

そして、本日最大の苦しみがこの後やってくる。この時、自分の中では4時間30分ぐらいでゴールできるだとうと思っていた。GPS時計をもっておらず距離は分からないので、腹時計のように(?)適当な感覚でレースを走っていた。あと、45分ぐらいか。手持ちの水が減ってきていたが大丈夫だろう。訪れる試練…。

最後のアップダウンがやってきた。結構な斜度の上りを必死に上り、一気に駆け下る。これを4回ほど繰り返す。この上りを越えれば岩場に戻れるか? 重力に任せて、また一気に駆け下る。でも、また次の上りが現れる。これまでのハードなコースのダメージで身体は限界。おまけに水が底をつきそうで、チビチビとしか飲めない。身体が熱くなってきた。軽い脱水症状だろうか。脚が止まってしまいそうだが、なんかと進み続ける。後続のランナーはどうだろう。追いついてこないか。もうペースを上げれそうにない。早くゴールしたい。

やっとの思いで上りきると、最後の南尾根が現れた。この岩尾根も小さい(大きく見える)アップダウンを繰り返す。上っても下っても、また次の岩尾根が。はぁ、もうダメかも。熱い。水を一気に飲みたい。少し頭がボーッとする。

見晴らしのいい箇所でハイカーさん4名に道を譲っていただくが、小さくお礼を言うのが精一杯。抜かせてもらうが、自分の歩きが遅い。くそ。身体が動かん。

ふと振り返ると、あっ、Iさんだ。先日の愛知山岳マラソンとレース後のもう1本でも競ったIさんが元気に上ってきた。やばい、やられる…。でも、もう無理だ。

「安田さんがいるんじゃないかと思って必死にきました!」「もう無理だ!先にどうぞ。」競り合う気力は無く道を譲った。「もうすぐ、終わるから頑張りましょう!」と声をかけてもらうが元気がでない。

Iさんは一気に視界から消えていった。最後の…最後の上りを越えると急激に下る岩場。上りはもうダメだが、下りなら重力に任せて何とか走れる。その後、視界から消えたIさんの背中が岩の向こうにチラッと見えて消えた。いけるんじゃないか。追いつくんじゃないか。そう思いはじめると、さっきまで倒れそうなぐらいに疲弊していた身体が一気に軽くなった。走れる。走れる。走れ! つづら折りのトレイルを一気に駆け下る。見えた!背中が見えた!追いつくぞ。さらにスピードを上げる。

下りきるとスタート会場の前に出た。ヘアピンカーブを曲がるとフィニッシュゲート。必死の形相。腕を力一杯に振り、目一杯に脚を前に出す。ハッ、ハッ、ハッ、短距離走の呼吸音。最後の直線を死に物狂いで走る。おれが勝つ! 身体が並んだ。Iさんがちょっと前に出た。負けじと力を振り絞る。前に出た。あぁぁぁ〜、ゴール!!! 男と男の真剣勝負。その差は1秒。倒れてしまいそうだが、握手を交わしお互いに検討を讃えた。ナイスファイト、ナイスラン。ゴールで迎えてくれたJSTの仲間に祝福を受けた。やりきった充実感で最高の気分。もう立てない。へなへなと座り込む。本当に苦しいレースで終盤はレースを諦めてしまいそうだった。苦しかった分だけゴールできた開放感は堪らなく気持ちいい。

記録:4時間50分22秒、順位:24位

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トップ4はJSTのメンバーが独占。身近な仲間が表彰台に立っているのは素晴らしいし、自分ももっと彼らに近づきたいと思う。

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望月選手が帰ってきた! 会場から大歓声が沸き上がる。みんなフィニッシュゲートへ駆け寄り、たくさんのスマホがお出迎え。ダブル64Kの優勝タイムは、9時間5分44秒。なんて超人的な方なんだろうか。

初めての新城は、本当に欲しかった目標には届かなかったが、今シーズンの手応えを掴めたレースとなった。終盤は大幅にペースダウンしてしまったが、あれがなければあと5分、あと10分はもうすぐに手が届くとこにあると感じた。でも、ペースダウンしてしまったのは自分のミス。給水をせずに出発した自分の判断ミス。そこで10秒、20秒を待てる余裕が欲しい。ペース配分についても、距離を測れないため残り距離を間違えてペースを上げてしまった。これも、ペースダウンした原因だと思う。今後のレースで同じミスを犯さないように反省して活かしていきたい。去年までの自分なら、5時間30分を切れるかどうかだったと思う。今年の自分は進化している。でも、まだまだ満足できるレベルにはない。もっと苦しい練習をして、5月末の経ヶ岳バーティカルリミットではさらに進化した走りをしたい。

来年は、32Kで4時間30分切りを目指すか、はたまた64Kで鉄人に挑むか…。



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Trail Mix Running は滋賀県から発信する、関西のフィールドを楽しむトレイルランニングツアー。
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