2014年10月12日(日)午後1時にスタートした「第22回ハセツネCUP 日本山岳耐久レース」。

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さぁ、第2関門を出発しレース再開。残りは30kmを切った。ここまで来てようやくレースを完走できる確信が持てた。前へ進めば必ずゴールへ。

次に待ち受けるのは、難関の御前山(1,405m)だ。ある雑誌のコース攻略によると、この区間の走りがタイムに大きく影響するらしい。でも、今日はそれを実行できるようなスタミナはナッシング。

昨年と一昨年と走っているが、御前山とこの後の大岳山の記憶が一切と無かった。案外すんなりと上ってしまったような…。しかし、待ち受けていたのは曖昧な記憶とは正反対にK.O.されるほどのタフな山だった。御前山は、2段階に分けて上っていく。急傾斜やヤセ尾根が待ち受ける。木の根や岩が露出していて足場が悪い。大岳山は、鎖場あり、岩をよじ上る岩場あり、急傾斜の上りあり、もうこれでもかと痛めつけられる。途中で気付いた、きっと脳の制御が働きツラく苦しかった記憶は削除されてしまったに違いない。トレイルランナーの防御本能か。

御前山でズタボロになり、大岳山では完全にグロッキー。もう負け…。

大岳山の下りは、滑りやすく細い岩場のトレイルが続く。しかも、トレイルの片側は切れ落ちている。一歩、一歩を集中して気を抜くな。走れ、走れ。

下りの難所を攻略すると、待望の水場(綾広の滝上部)に到着。ここは、唯一給水所以外で給水を許されている水場。蛇口から勢いのいい冷水をボトルに注ぎ、一気に飲み干す。あぁぁ、生き返る。再度、ボトルに注ぎザックのポケットへ。さぁ、行くぞ。ここからは悔いのないように走る。第3関門へ走れ!

(ゴール後に判明したのは、ザックのハイドレに700ml以上の水が残っていた。月夜見から消費したのは800ml。これなら、全部を持って出発せずに、ポカリを一気飲みしてからエイドを出発すれば良かった。気温が下がっているため、ここからの消費は少ない。)

聞こえてきた関門の応援者の大声援、煌々と灯された灯りに力が蘇る。これまで声援をいただいても返す余裕は無かったが、ここは涙が出そうになるほど感動した。ありがとう!
「ヒャッホ〜!」と叫びながら関門を通過。行くぞ!

第3関門 御岳山(スタートから58.0km地点)
到着予想:8時間40分、通過:9時間25分(2時間55分)

ここからは何度かの少しの上り返しがあるが基本的には下りが続きゴールを目指す。
ゴールまで残り13.5km。何としても昨年の記録を更新したい。こんなにも不甲斐ないレースで昨年のタイムを更新できなければ、この一年はなんだったのか!? 後悔するような走りはするなと自分に言い聞かせる。

関門を通過するとすぐに御岳山の飲食店や旅館が立ち並ぶ通りを走り抜ける。ここでも応援をいただいた。本当に有り難い。この後は、ゴールの五日市会館へと続く闇夜のトレイルとの最後の戦い。自分に負けるな。自分を打ち負かせ。一年前の自分を越えろ。

ズタボロになった身体に鞭を打ちスピードを上げるが、ここまでの疲労は半端ない。上り返しを走りきることができない。割り切るしかない。腿に手を置き必死のスピードウォークで進む。

日の出山の木階段の上り、もう必死のパッチで上り山頂に到着。ここでも声援をいただいた。よっしゃ、行くぞ!急な木階段の下りを飛び下りる。土の斜面で滑りやすい。集中、集中。

時計で残り距離を計算しながら、ゴールだけを考えて走る。最後の上り返しを通過するとホントにホントにあとは下るだけ。両側が切れ落ちたトレイルも全力で走り抜ける。

不意に出て来た「あと3km」の看板! えっ、時計と違うけど…。でも、そうならラッキー。信じて走る。しかし、しばらく行くと誘導スタッフの方から「あと4kmです。」やっぱりそうか〜。(泣)

「あぁ、もう走らなくてすむ。」「早くゴールに辿り着きたい。」その思いだけが自分を走らせる。やっと舗装路が出た。もう本当に最後だ! ガンガンと脚を前に出しロードの急下りを走る。街灯が見え住宅地に帰ってきた。
「やった。長かった。やっと帰ってきた。」全力でロードを走る。カーブを曲がると見えてきた黄色く輝くゴールゲート。「やった〜。」ゴール!!! ゴールと同時に膝から倒れ込んだ。限界を越えていた。

ゴール 五日市会館(スタートから71.5km)
到着予想:9時間55分、通過:10時間50分(1時間25分)

過去2回のゴールは達成感に満ちあふれた素晴らしいゴールだった。今年は、掲げた目標を果たすことが出来ず到底満足できるものではなかった。しかし、昨年のタイムを2分短縮できたことは唯一の救いだった。来年のハセツネまでこの思いを持って鍛え直しだ!

イメージ

ゴール後にいただいた豚汁。とても美味しかったです。でも、食べ終わった直後に急激な吐き気。本当に身体が悲鳴を上げていたんだと思う。

やはりハセツネは、とんでもない大会。だからやりがいがある。


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2014年11月8日(土)開催

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